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-1999年7月25日-

ネットワーク時代のビジネス情報誌テレコミュニケーション(発行:(株)リックテレコム)8月号に横井通信工業(株)が構築を手がけた駒澤大学高等学校のLAN構築事例が紹介されました。
以下は、そのときの記事です。

生徒全員のメール環境を整備
既設LANを再利用し導入コスト削減
駒澤大学高等学校はインターネットの可能性に着目し、生徒全員が電子メールを利用できる環境を構築。
コストを抑えるために既設LANを流用したうえで、プロキシサーバーや無線LANの採用など多様な工夫を施し、全校規模でのインターネット利用体制を整えた。

駒澤大学の付属高校である駒澤大学高等学校(東京都世田谷区、河村光司校長)は、インターネットの普及に着目し、いち早く校内のネットワークを構築したことで知られている。

生徒の自主性を生かした教育を目指すべく、授業での利用を目的に導入した教育システム用LANに手を加え、インターネットアクセス環境を整えたのは3年前。
クライアントパソコン50台を生徒に開放し、情報検索などに活用させることで、一定の効果は上がった。

だが、情報化推進を担う山海俊範教諭はこれに満足していなかった。
同校の生徒は1500名、しかしパソコンは50台しか導入されていない。
生徒全員がインターネットに触れる機会を十分には提供できていなかった。
また、さらに情報化が進む中で、生徒達に電子メールという利用形態も経験させたかったのである。


そこで、山海教諭は全校規模でのLANの拡張を考えはじめた。
その際の条件は、(1)50台程度のクライアントの増設、(2)生徒全員が利用できるメール環境の整備、(3)既存機器の使い勝手を損なわない配線工事--の三つ。

(1)は物理的に容易である。LANにパソコンを接続し、パソコンを認識するための個別のアドレスを設定すればよい。
しかし、問題はネットワーク側である。
端末数が増えるほど、ネットワークにかかる負荷は増す。
インターネットへのアクセス回線はISDNから128kbpsのOCNエコノミーに乗り換えるものの、トラフィックを抑える工夫は必須であった。

(2)は多人数がメールを利用するために避けて通れない問題となる。
パソコンを共有すると、利用者が変わるたびにユーザー設定を変更する必要があり、そのための知識と手間が要求される。
これでは手軽に電子メールを利用できない。

実際の工事段階で障害となるのが(3)。
ネットワークの拡張は、これまでパソコンを設置してあった情報処理実習室のほか美術室や理化実験室、さらに事務室、職員室にまでおよぶ計画になっていた。
その際に、床に配線工事を施すことで、機器や机の移動が難しくなる可能性が出てくる。


これらの課題の解決に向け、山海教諭は従来から同校のインターネット環境の構築に携わっていた通信系SIである横井通信工業に相談を持ち掛けた。

横井通信工業は解決策として、プロキシサーバーの利用、米国イプスイッチ社の「i mail」の採用、無線LANの導入を核とするシステムを提案した。

プロキシサーバーはクライアントが一度ダウンロードしたデータを蓄積する。
これにより、一度見たホームページに違うクライアントがアクセスした際には、プロキシサーバーからデータをダウンロードするため、アクセス回線の負荷を軽減できる。

また、i mailは、i mail用サーバーをLAN上に設置することでパソコンの種類を問わずブラウザー上でメールを確認できる。
利用時には全生徒に個別に割り当てたログイン名とパスワードを入力するだけでよい。

配線問題を根本的に解決するのが無線LANだ。
これで、新規にケーブルを敷設することなくネットワークを拡張できる。


横井通信工業はさらに駒澤大学高等学校自身のホームページ用Webサーバー、ホームページと連携して動画を送信するためのリアルビデオサーバーの提案も行った。

これらの提案を受けた山海教諭は「新しい動向を的確につかみ、アドバイスし、実現に向けてサポートする姿勢に心が動いた」という。

しかし、ここで一つの課題にぶつかった。
実は納期に設定されていたのは2学期が始まる98年9月。
しかし、施工できたのは7月で、2ヶ月しか施工期間が残されていなかったのだ。
そこで横井通信工業は何とか遅れを挽回するため、社内に泊まり込むなど急ピッチで作業を進め、納期には微調整を残すレベルにまでこぎつけた。


150台のクライアントが稼動

ネットワーク構成を見ていこう。
従来はNetWare上で動作するLANをルーター機能付きTAでインターネットに接続するシンプルな構成であった。
これが増設により、プロキシサーバーを挟んで外部からアクセスできるインターネットセグメントと外部からアクセスできない校内LANセグメントに分割された。

インターネットセグメントではルーター機能付きTAがルーターに置き換えられた。
また、ホームページ用にWebサーバー、リアルビデオサーバーなどが新たに設置されている。

校内LANセグメントでは第2情報処理実習室の既存クライアントに加え、第1情報処理実習室に新たに50台のクライアントが追加された。
これら合計100台が生徒用パソコンになる。

また、職員室、事務室、校長室、美術室などで無線LAN環境が整備された。これらは主に教員が利用する。
クライアントは生徒用と教員用を合わせて150台にのぼる。

ネットワーク構築のポイントは基幹に100Mbpsを採用した点にある。
具体的にはルーターから各種サーバー、プロキシサーバー、インテリジェントハブを介し第1情報処理実習室を結ぶネットワークが100Mbps、そのほかが10Mbpsの接続となっている。

もう一点、イニシャルコストを極力抑える機器選定もポイントになっている。
例えば、ルーターはヤマハ、スイッチはコンテック、サーバー類はコンパックやゲートウェーといった具合だ。
これは「導入時に一番安価で、優れた機能を持つ機器を選択した」という横井通信工業の指導による。
このような配慮も山海教諭の高い信頼を得ている。


新カリキュラム移行も視野に

手軽にインターネットに触れる環境が拡充されたことにより、生徒たちにホームページや電子メールの利用が着実に浸透しつつある。
100台のパソコンの周りは、昼休みはいつも混み合っており、授業でパソコンを利用しなければならない課題が出された時は、放課後であっても順番待ちの列ができるほど。
また、「ある女生徒は口にはしにくい相談事を、父親とメールでやりとりしている」という例もある。

 

学校教育は2003年、新カリキュラムへの移行を控えている。
これにより教育時間は現行より短縮されることになる。

駒澤大学高等学校ではこの対応策として、今後は教科別にサーバーを立ち上げ、インターネット経由で教科指導を行える体制を構築する計画を立てている。


参考: 駒澤大学高等学校のホームペ―ジ。 (http://www.komazawa.net)
  駒澤大学高等学校のLAN構成

テレコミュニケーション(株式会社リックテレコム発行)8月号より



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